第7回岩礁計測の実施

今回の報告は非常に残念な事故の報告です。
当初は8月19日に予定していましたが、天候が悪く26日に延期して実施しました。この日はうねりが高く船が揺れるために、普通の天候であれば手早く済ますことが出来る計測準備作業―ケージ内に検出器を収め、水中カメラ、水中ライト、姿勢センサーを所定の位置に取り付けるなどの作業―が困難を極めました。
1Fから南2.4kmのPoint Aおよびその近くに新たにPoint AAを設定して計測をし、南下してPoint 1を計測し、Point 2に移動したところで、検出器を吊る3本のワイヤーの内の1本が外れていて検出器がケージから下に抜け落ちそうになっており、信号ケーブルの被覆が破れているという異常事態を発見したので、計測を打ち切って帰港しました。
帰京後、詳しく調べた結果、信号ケーブルの被覆の破れから検出器内に海水が浸入し、検出器本体が全損していました。検出器のケージからの抜け落ちと信号ケーブルの被覆の破れがなぜ起こったかを知るために静止カメラの写真とGoProの映像を調べました。その結果、ケージの全重量が検出器を吊る3本のワイヤーにかかった結果、1本のワイヤーが外れ検出器がケージから抜けた状態になり、信号ケーブルがどこかの金属部分と擦れて被覆が破れたことが事故の直接的原因であることがわかりました。検出器をケージに収めるときに吊り下げ用の3本のワイヤーを本来通すべきところを通さずにカラビナにつないであったこと、そのうえこのカラビナにメインロープも結ばれていたためにケージの全重量がワイヤーにかかることになっていました。本来は、メインロープはケージを吊る鎖に着けてあるカラビナに結ぶはずのものですが、船上作業の混乱の中でこのような手違いが発生してしまいました。 手違いの発生の根本的な原因は、作業手順書に基づき二人の人間によるダブルチェックを怠ったことです。
今回の失敗から得た教訓を今後の乗船計測に生かしていきます。