第16回岩礁計測の実施

第16回岩礁計測は2020年11月17日に実施しました。
コロナ禍の中、準備万端で現地入りしましたが、結果的にはトラブル続出で実際の計測データ取得は限られてしまいました。天候に恵まれて快晴にもかかわらず風とうねりが高く、多数のメンバーがダウンしました。
一方、元気な生物の確認が出来たのが画期的でした。

今回は海底の確認をしやすくするため、カメラを装置の外側に設置しました。計測ポイントは福島第一原発東側の高線量と見られる場所を狙いました。しかしその場所は水深が20mを超えることが分かったため断念し、西側(陸側)に移動しながら水深10m前後の場所を探しだし、そこで計測しました。

1回目の投入: 着底2分後に水中カメラ1台(全部で2台)が故障(ケーブル内信号線断線)。

2回目の投入: 引き上げ時にLED照明2個の透明カバーが脱落し、以後点灯不能。原因不明。

3回目の投入: 岩礁に着底できた様子を確認。

4回目の投入: はじめの着底は岩と岩とに跨がった場所だったため、置き直しすることで平らな場所に着底。
ところがその約4分後、全長1mほどのタコが出現し、およそ6分間滞在して装置に損傷を与えました。タコは放射線検出器にマジックテープで留めていた姿勢センサーを引きはがし、接続ケーブルを防水箱から引き出してしまいました、そのため姿勢センサーは浸水して電子回路が破損しました。
この様子はカメラGoPro1で捉えました。一方、生き残っていた水中カメラ2台の内の1台もレンズに水が入り始め、映像はボヤけましたがタコが姿勢センサーボックスを振り回す様子がはっきりと映っていました。

5回目の投入: 水中カメラの残り1台も浸水のため途中から撮影不能となりました。海底状況はGoProでのみ確認となり計測中の実時間映像の確認はできませんでした。

6回目の投入: 計測を終えて装置を引上げようとしたところ、津波で流れてきたと思われる人工物のオーバーハングに装置が引っ掛かり、引上げにかなり手間取りました。しかも途中でメインロープが破断するハプニングまでありましたが、怪力自慢のメンバーがとっさにメインロープを手で掴み、高価な装置・検出器を失うことはありませんでした。まさに奇跡的対応でした。


出港前の元気な乗船メンバー(船酔い前です!)


タコ登場(装置右側からタコの脚)


タコが装置に乗込む(1)


タコが装置に乗込む(2)


タコが装置に乗込む(3)


タコ退場中(1)


タコ退場中(2)


タコ退場中(3)


タコ被害の姿勢センサー(緩衝材は剥がされ、ケーブルも抜かれて浸水)


破断したメインロープ(赤丸部)、奇跡的に装置を引上げられた